自分の技術レベルと判断基準
うーんと、前回、相手チームの角にボールを運ぶって話をしたんだけど、それが全てにおいて正しいわけでは無いって話と、元々その前段階の話をしなければならない気がする。
そもそもボールを持った時にどうするかって話。
例えばキックオフから、後ろにボールを下げて、そのボールが自分の所に来た、そしたら何をすれば良い?パス?ドリブル?シュート?距離的にシュートは無いか、とか何だろう、どうすれば良いか、って事が初心者には分からない。まあこれに明確な基準って無いんだけど。でも、正解が分からないまま、思いつきで何となくパスとか何となくドリブルってのも何か違う気がする。
そもそも自分の中でのボールを持った時の判断基準を決めておかないと、相手チームの角を狙うとか、エイトをするとか、そういうところまで話がいかない。全て、何となく、でやってしまう。
で、仮にボールを持った時に何を判断基準とするかの思考実験をしてみようと思う。
まず、何を考えるかっていうと、初心者はボールを失わないことを第一に考えるべきだとは思う。あえてボールを相手に渡して、前プレをかけてショートカウンターをするって戦術もあるけど、それは上級者がやることだと思ってる。
それで、初心者がボールを失わないということを大前提に考えた上で、優先順位や判断基準を構築していく。
パスをもらったらその後いきなり前にパスを出すわけではなく、もっと簡単な横パスをメインに考えるとか、もっと前段階だとドリブルはしないでパスをメインに考えるとか。こういう優先順位や判断基準だ。
本当の超初心者になると、逆にパスしか考えないから読まれるので、それはそれでドリブルも選択肢に入れなければならない、とかこういうのも判断基準。
そして判断基準を決めるのに必要なのが、自分のレベルに合わせた判断基準が必要だから、自分のレベルの把握、すなわち自分の技術レベルの把握。
まあ、これは味方のポジショニングにもよるので、必ずしも自分だけとも限らないんだけど、とにかく自分がどのレベルにあるか、何を出来る状態にあるのか、を洗い出す。
例えば、ボールを持った時の技術を以下に並べる。
・ボールが止まってる時、周りを見られる
・近い場所だったらパスが出来る
・少し前にドリブルする事が出来る
・ドリブルした後止まれる
・ドリブルのスピードを変える事が出来る
・近い場所の浮き球のパスが出来る
・ドリブルしようという意識を見せる事が出来る
・キックフェイントが出来る
・周りを見えてドリブルかパスかの判断が出来る
・90度周りが見えてる
・180度周りが見えてる
・ボールが来る前に周りが見えてる
・ロングパスが出来る
・キックの振りを分らせないようにしてパス出来る
・その場でフェイントして一瞬マークを外せる
順不同で並べてみたが、こういうのごボールを持った時の技術。これはほんの一部で、ボールを持った時の技術ってもっと複合的なものだから、今自分が何を出来てる!ってハッキリと分からないんだけど、このように技術って色々あるということ。
そして、自分が出来る技術により、その後に出来る事が決まってくる
例えば
・パスくれた人にそのままリターンパス
・一回前を向く
・後ろの人にパス
・前を向いてドリブル
・周りを見て、フリーの味方がいればパス
・前に相手ディフェンスがいなければドリブル
・前に相手ディフェンスがいればパス
・相手ディフェンスの状況を見て、攻め時か回し時かを考える
これも一部だが、このように簡単な事から、難しいことまである。
で、これがどういう事か、というと、例えばパスをもらった時にあんまり周りを見る事が出来ないという事ならば、判断基準はリターンパスが最優先、ということや、パスをもらった時に味方の位置を把握出来るってことなら、判断基準として、フリーな状態の味方を探してパスをするっていうことになる。
なので判断基準はその人の技術レベルによる。もっと言えば、味方のポジショニングや相手のレベルによっても全然違う。だから、フリーの味方にパスをするってことを誰しもが正解ってわけでもなく、技術レベルが低い人にとってはそのフリーの味方を探してる間に取られてしまうかもしれないし、技術レベルが高い人にとってはドリブルの判断も含めて考えた方が良い。
また、味方の技術レベル(ポジショニングレベル)にもよるかもしれない。味方のポジショニングが悪ければ、自分がある程度キープしなければならないだろうし、相手ディフェンスが前プレだったら後ろから素早いパス回しをするかあえてロングボールを蹴るか。
ほんと、状況による。自分の技術味方のレベルと相手のレベルとで、何を判断基準とするかって全然違う。
状況によるんだけど、自分の中で基準を作るってことは大事で、それが無いと、自分がどこまで出来てどこを修正すれば良いのか分からない。分からないなりに自分がどの程度の技術で、それならばボールを持った時の判断基準はあった方が修正がしやすい。
例えば前にパスコースを2つ作る(トライアングル)のが必要という普遍的な要素、教え?みたいなことがあるんだけど、そのボールホルダーにパスコースがあるのを見つける能力が無ければ意味が無い。
だからトライアングルが正しいという共通理解があってのこと。理屈的には正しいのかもしれないけど。こういうこと。
で、俺が自分の事を書き記す。
最近球離れが遅くなってる。これは、もっと自分に相手ディフェンスを引きつけてからパスをしようと考えすぎたせいで、遅くなってる。でも、気付いた。自分に相手ディフェンスが近くなりすぎるとそれはそれでパスミスが増える。これが自分の技術不足。
そして、ボールが動いてないから、相手も守りやすい。だから、少しくらい自分がフリーでも球離れを早くした方が相手ディフェンスが守りにくい場合があるということ。これが、どういう時には球離れを早くした方が良いって難しいけど、強いて言えば、相手の守備ブロックが整ってる時か。
このように、今の自分の技術レベルとチームレベルを鑑みると、判断基準として球離れを早くするという選択と判断になる。
俺が球離れを早くした方が良いというのは、相手ディフェンスにパスカットされないように、という条件付きなんだけど、この、相手ディフェンスにパスカットされないように、の部分はみんなにとって有効性があるかもしれない。だから、教える、という事が成立してるんだろうけど。
何が言いたかったかっていうと、人が書いてる記事とか、言ってる事とか、情報って、誰しもにも当てはまる部分と自分には当てはまらない部分と、自分には当てはまる部分があって、それを一緒にすると議論が見えなくなる、ということ。
これを一回自分の中でもハッキリ認識しておかないと、これをやっとけば大丈夫!こうした方が良い!みたいに言ってしまいがちだから。
例えば、絶対足裏トラップをしよう、とか、絶対エイトをした方が良い、とか、全部球離れは早い方が良い、とか。
こういうのも一つの条件ではなくて、その時その時の正解があるって事。有効だった1つの攻撃があったら、それの再現性が出来るのか出来ないのか、でみんなに当てはまるか当てはまらないかってのが出てくる話だから、一つ一つ論理性を持って出来るだけ取り組みたい。
難しいけど。出来る気はしないし、「これが正しいぜ!」って言った方がラクなんだけど。
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